秋の養生法
秋は夏の疲れが出やすい時期。日が短くなり、ヴァータという風のエネルギーが増えることで、不安感、乾燥、耳鳴り、不眠といった様々な症状がでやすくなります。
アーユルヴェーダの教科書では秋について次のように書かれています。
雨季の寒さに慣れていた身体が、秋季になって急に太陽光線によって温められるとそれまでに蓄積していたピッタがたいてい不調をきたす。秋季には、甘味あり、軽性、冷性、苦味をともない、ピッタを鎮静するものを消化力に応じて適量摂るがよい。…米、大麦、小麦を摂るがよい。秋季には苦味のある薬草とともに作ったギーを飲むこと、催下法、瀉血法を行い、日光浴を避けるべきである。…ごま油、水生動物(魚介類)、沼沢地生息動物の肉(ブタなど)、アルカリ性のもの、ヨーグルト、昼寝、東の風をさけるべきである。昼間の日光によって熱せられ、夜に月の光によって冷却され、時間の経過によって熟し、アガスティア星によって毒を抜かれた秋の水は「ハンサ水」と呼ばれ、無垢にして清浄であり、甘露の如く、スナーナ(水浴)・飲用・アワガーハ(入浴)に有益である。秋季には秋季の花飾り、清潔な衣服が望ましい。月の光を浴びることは宵の口がよい。第1巻第6章41-48
アーユルヴェーダでは雨季の後に秋としているので、日本の季節とはやや異なる部分があるかもしれませんが、台風や秋の長雨がそれにあたるかもしれません。
いずれにせよ、夏の間に蓄積したピッタ(火)のエネルギーが悪化して、抜け毛、肌トラブル、胃炎、口内炎などといった症状が出やすい時期です。
アイスコーヒー、ビール、ヨーグルト、アイスなどを秋の気配を感じても取り続けている人は要注意です。
秋の味覚☆果物のは午前中に単品でとるのがおすすめ
食欲の秋というくらい、秋はおいしいものがいっぱいですよね。
果物もそのひとつ。なし、ぶどう、かき、ももなどなど、甘くてビタミン豊富な果物が多くあります。果物はまた、たくさんの酵素を含んでいるのでおやつや食前にとるのがいいといわれています。ただし、体を冷やす性質があるので、果物は代謝がおちる夕方以降は控えたほうがよいです。
朝フルーツモーニングやスムージーという人は、お白湯を一杯飲んだ後で果物にすることで、胃が温まっているのでおすすめです。また、果物はしっかりと熟したものをとる方が消化吸収がよいです。
アーユルヴェーダでは甘味は細胞を滋養し、喜ばせる働きがあるとしています。ですから、仕事で頭がヒートアップしてくる午後のおやつには果物をとるのがおすすめです。逆にチョコやブラックコーヒーをこの時間にとるとピッタという熱のエネルギーが過剰になって、イライラしたり頭痛、ほてりの原因になります。
尚、果物は消化吸収が速いため、消化に時間のかかる乳製品との食べ合わせがよくないので、果物をとるときはカフェオレやチーズなどは避けましょう。
さらに夜の寝つきが悪くなったり、途中でトイレに目が覚めることもあります。気を付けてくださいね!
自律神経を整えるオイルケア
アーユルヴェーダ的には、音は空間を伝わるところから、聴覚は【空】の要素と関係していると考えます。ドーシャでいうとヴァータになります。
このため、ヴァータが乱れるようなこと、特にストレス、不安、不眠、不規則な生活などが続くと、耳なり、聞こえにくい、耳が痛い、ふらつくなど耳のトラブルが出てくると言われています。
そんな時アーユルヴェーダでは耳のオイルケアをすすめています。
”習慣的に耳に油を注ぐことにより、ヴァータ性の耳病はおこらず、うなじと顎の痙攣も起こらず、聴力が弱まったり、なくなったりすることもない。チャラカサンヒター第1巻第5章84”
耳のオイルピチュのやり方
ホームレメディと行う時は耳のピチュ(湿布)がおすすめです。
やり方)
・太白ごま油をキレイな鍋で100度に加熱し、自然に冷まします。
(買った時1回この処理を行なえば、それ以降は湯煎でOKです)
・上記の加熱処理したオイルを大さじ2-3杯分湯煎して、コットンを浸します。
・耳の穴をふさぐようにコットンで湿布します。
・15分ほど置いたらコットンをはずし、残ったオイルで耳のまわり~首のあたりを優しくマッサージします。
・ホットタオルで押さえぶきするように余分なオイルをとります。
耳の中は綿棒で軽くオイルをとっておきます。
耳から顔がじわーっと温かくなってリラックスするので、是非ためしてみてください。