季節によってトリ・ドーシャ(ヴァータ、ピッタ、カファ)におよぼす影響は異なります。
アーユルヴェーダは、季節に応じた暮らし方を大切にしています。

冬は体力と食欲が最も高まる季節です。体温を保持し寒さから身を守るように身体システムが機能するためです。消化力が高まるため、食欲が高まるのもこの季節です。冬が旬の食べ物は滋養に富み、体もそれを欲するのです。冬はオジャス(生命力)が高まる季節でもあります。

○ 食事
寒さから体を守らなければならない冬には油分、脂質、ヨーグルト・チーズなどの乳製品、甘味、酸味、塩味の食べ物を摂るようにしてください。甘味は体力を強化し、酸味と塩味は体を温めます。寒さから体を守るために、体は体温を保持するように努めます。消化力(ジャタラグニ)が高まり、脂肪分や乳製品など消化しにくい重い食品でも代謝が容易に行われるようになります。キドニービーンズ、ブラックビーンズなどの豆類、小麦・米などの穀物、はちみつも、体力をつける必要がある冬に食べたい食べ物です。お湯やジンジャーティーも体を温かくします。

一方、苦味と渋味の食べ物は体の熱を下げるため、冬には適しません。味とドーシャが密接に関係していることは実に不思議です。ピッタが高まる夏から初秋にかけてお店にゴーヤが出回ります。苦味は体の熱を下げるため、この季節にはゴーヤの苦味が必要です。しかし冬にはゴーヤの苦味は必要ありません。ますます体温を下げるからです。生野菜も冬には避けるべきです。水分をたくさん含んだレタスは体を冷やします。12月から2月までは生野菜のサラダを控え、ブロッコリー、カリフラワー、にんじん、じゃがいも、かぼちゃ、蓮根などのゆで野菜を食べてください。ゆでたてのブロッコリーやカリフラワーのおいしいこと! 生のカリフラワーを小分けにしてガラムマサラを適宜まぶし、クミンシードとコリアンダーシードをふりかけ、オリーブオイルをかけてオーブンで焼いてもおいしいです。体が温まり、まさに冬にぴったりの料理です。このように季節に応じた料理方法が暮らしの知恵なのです。冷たい飲み物やアイスクリームを控えるべきであることは言うまでもありません。

○生活スタイル
冷たく、湿った季節の冬には自然にカファが増えるので、体を温めるようにしなければいけません。お風呂、サウナ、日光浴はカファとヴァータを鎮めるよい方法です。晩秋から初冬にかけてはヴァータが増えやすくなるので、お風呂やウェットサウナが体を気持ちよくさせます。カファが過剰に増えたときには、いま流行りの岩盤浴がいいかもしれません。乾燥していて温かい室内は、カファの湿り気と冷たさを取り除くのに適しているからです。

温めたオイルでマッサージすることも冬に適しています。ゴマ油(無色透明のもの)やオリーブオイルを若干温め、腕や脚をマッサージしてみてください。体がぽかぽかし、暖かさが持続します。オイルマッサージは冷え性の改善にぴったりです。しもやけになったら、足を3日間オイルマッサージしてください。すぐに治ります。

冬はどうしても背中を丸めて、じっと座ってばかりになりがちです。しかし冬は活動期の春に向けて体力を強化する大切な季節なのです。アーユルヴェーダの知恵を活かして、元気に寒さを乗り切りましょう。