シャーラーキヤ・タントラ:鎖骨上の専門科(耳、鼻、喉、目、口の病気)

この部門では鎖骨から上にある器官の病気を扱っています。「シャーラーキヤ」という名はこれらの病気を治療する際、「シャーラーカ」を多く使用することによります。「シャーラーカ」はサンスクリット語で竿とかプローブ(外科の探り針)を意味します。「タントラ」は科学とか知識を意味します。つまり、これら鎖骨上の病気を治療する際、竿やプローブのような器具を大量に使用することから「シャーラーキヤ・タントラ」と名づけられました。

現代科学でも、眼、耳、鼻、口、喉の様々な病気を治療する際は、細くて小さい竿やプローブのような器具を使用します。これらすべての器具はサンスクリット語で「シャーラーカ」として知られています。「シャーラーカ」は、病気を探る時と治療する時の両方で使用されますが、多くの場合、鼻、耳、喉、眼の内側深くに特定の薬をつけるために使用されます。

この部門は眼、耳、鼻、口、喉の病気の原因、診断、予後、予防、治療に関する詳細を扱っています。ほとんど全ての主たるアールヴェーダの古典(サンヒター)には、このテーマに関する記述が見つかっています。特に、スシュルタ・サンヒターにはより掘り下げた内容が述べられています。そして、とても興味深いことに、スシュルタにある分類のいくつかは、とても細かいため、現代科学もまだそこまで解明できていません。

例をあげると、pterygium(眼の病気)の描写はとても詳しいものです。この病気に関し、現代科学では4種類の分類しかありませんが、スシュルタでは、5種類の分類があります。また、現代科学のめざましい発展やリサーチにもかかわらず、Uveitis や緑内障に対する予後は今日まで変わっていません。他にもこのような例はたくさんあります。そしてそれらは、古代の眼科学がとても発達したものであることを示しています。つまり、この鎖骨上の病気を扱う部門に関する様々な治療は非常に効果的で実用的なのです。

このことは、アーユルヴェーダが科学的で実用的であるという概念をますます証明するものです。よって、現代科学のいわゆる治療不可な病気に対して、アーユルヴェーダの治療を適用し、最大限有効にするための研究がもっとなされるべきです。