はちみつは加熱すると毒になる!?
アーユルヴェーダでは、ハチミツを毎日食べたほうがよいという”有益な食べ物”としている一方、加熱することで毒素(アーマ)を生み出すので非加熱のはちみつを食べないといけないとしています。
この”加熱する”というのが一体どれくらいの温度のことを言っているのか?
そもそも、日本では1歳未満の乳幼児にはハチミツは与えてはいけないといわれています。これは「はちみつ」の中にボツリヌス菌が含まれている場合があり、これを乳児期の赤ちゃんが摂取すると、ボツリヌス中毒を起こす危険性があるからです。
そして、ここがアーユルヴェーダと180度異なる点なのですが・・・
ボツリヌス菌の毒素は熱に弱いので、煮沸(100度で数分)すれば毒性はなくなるとされているため、日本で出回っているはちみつはほとんどが加熱処理されています。
インドのアーユルヴェーダの先生の間でも意見がわかれていて、
体温以上に温めるのはいけません!
という方から、紅茶に入れるくらいはかまいませんという先生までいらしゃいます。
そして、加熱した場合の毒素とはそもそもなんのことをさしているのか??
これについては、はっきりとした説明がなされていませんでした。
糖化の観点から加熱はちみつの毒素を考える
アーユルヴェーダに詳しい医師の上馬場先生が着目したのは、AGEs(最終糖化産物)!
AGE(Advanced Glycation End-products;終末糖化産物)といい、体内で起こる「糖化」という反応によって作られる物質です。AGEがたまることによって、皮膚の弾力が失われたり、血管や骨が硬くもろくなったりすることがわかってきています。
人間の血管は全部ひっくるめると10万KMなんと地球2周分ほどの長さになるそうです。
この人体最大の循環器系である血管が砂糖漬けになっていると思えばもろくなって悪影響がありそうのは想像がつきます。
要は 糖化=老化の原因の1つという考えです。
上馬場先生ははちみつを一定の温度条件で30分間加熱する実験をされました。
すると60度以上で30分加熱するとAGEsが急激に増えていることが確認できました。
もちろんアーユルヴェーダが示している毒になるということが糖化のことをさしていない可能性もありますが、
糖化という観点でみたら、
○紅茶が飲み頃になったところではちみつを入れるのはOK
×お肉をやわらかくするとかの目的でハチミツをお肉につけて鉄板で焼くとかはNGということになりますね。
また、糖化を予防する食事のルールとしては、
野菜から食べること!&精製された砂糖、小麦粉、炭水化物は控えることです。
そうすることで急激な血糖値の上昇を防ぐことができます。
でもこれは色んな意味でおすすめです。
特にただでさえ消化力が落ちている時間帯の食事、、、夕食が遅くなりがちの方は、野菜をしっかり食べるとそれだけで満足感があるので、ごはんやお肉などを食べ過ぎなくてすみますよ。
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