mch6-16

かつて勇敢なるイシュシュヴァーク王統にサーガラという誠実な王がいました。この王の名声に神々の王インドラが嫉妬していました。

ある時、サーガラ王はアシュワメーダ祭を行うことにしました。するとインドラはその邪魔をするために祭馬を盗み、その馬を地下世界にある聖仙カピラの庵に隠してしまいました。

サーガラ王は祭馬が盗まれたことを知り馬を見つけるために6万人の息子達を送り出します。息子たちはカピラ仙の庵に祭馬を見つけました。

息子たちはカピラ仙が犯人だと思い、聖人であるにもかかわらず祭馬を盗むなんてとカピラ仙を侮辱してしまいます。

カピラ仙はそれに激怒し、サーガラ王の息子達を呪い殺してしまいました。

呪い殺された彼ら6万の魂は宇宙をさまよっていました。

彷徨う魂を哀れに思ったナーラダ仙は次の解決策を教えます。ガンガーを天から地上に降ろし地上から地下に降ろせたならばその聖水によってさまよえる魂たちは救済されるだろう。

しかしサーガラ王をはじめ彼の王統の継承者達は誰一人としてガンガーを地上に降ろすことができませんでした。

それを請け負ったのはディリップ王の息子バギーラタでした。彼はガンガーを地上に降ろし先祖たちを救済すると誓います。そして凄まじい苦行を行いました。

バギーラタの苦行に喜ばれたブラフマー神が彼の元にやってきてバギーラタにガンガーを降ろせるよう恩寵を与えました。

しかし1つ心配なことがありました。ガンガーが地上に降りてくる際、その凄まじい流れの勢いで地上が破壊されないということです。そこでこの問題を解決するためバギーラタは再び厳しい苦行に励みます。そしてついにシヴァ神の懐柔したのです。

シヴァ神はガンガー女神をその頭で受け止め地上を救ってくれると約束されました。するとブラフマー神の命令でガンガー女神がヴィシュヌ神の御足から流れだしものすごい速さで地上へと流れていきました。

そしてそれをシヴァ神が頭で受け止め、そこからインドの大地を流れてついには海に流れ込み、さらに地下世界に流れ込みます。地下世界ではそこに住む悪魔たちがガンガー女神を盛大に歓迎しました。そしてガンガーの聖水に触れバギーラタの先祖たちは救われたのです。