アーユルヴェーダの古典チャラカ・サンヒターの中で紹介されている果物とその性質についてまとめてみました。
果物は新鮮で熟したものを摂りましょう
アーユルヴェーダでは果物は熟したものを摂るべきだとしています。逆に次のような果物は摂ってはいけないとしています。
古い果物、未熟の果物、昆虫・動物・雪・日光によって傷んだ果物、不自然な場所や季節に成った果物、腐った果物は食用に適さない。チャラカサンヒター第1巻27章316-318
果物をとる全般的なルール
果物といえばビタミン豊富で酸味がありますが、アーユルヴェーダでは酸味は味覚に快適さを与える味だとしています。一方、酸味は摂りすぎたり、乳製品と一緒にとるとピッタ(火)ドーシャを乱し、血液を汚す原因となります。また果物は全般的に体を冷やすので、日が出ている午前中に少量を食事と一緒ではなく単体で摂るのがおすすめです。
代表的な果物とその特徴
ブドウ類(ムリドヴィーカー)
口渇、灼熱感、発熱、呼吸困難、ラクタピッタ(出血)損傷(クシャタ)消耗性疾患(クシャヤ)ヴァータとピッタの増悪、腸蠕動不全(ウダーヴァルタ)嗄声、アルコール依存症、口内苦味、口内乾燥、咳を鎮静する.滋養強壮、精力増進、甘味、油性、冷性といった性質がある.第1巻第27章125-128
サトウヤツメヤシ(カルジューラ)
甘味、滋養作用、精力増進、重性、腹部膨満、冷性といった性質がある.第1巻第27章125-128
完熟した桃(バラ科/アールカ)
温性すぎず、重性で、甘味にとみ、食欲増進し、体重増加、消化が早く、不健全すぎることはない。第1巻第27章129-133
西洋ナシ(バラ科/タンカ)
渋味、甘味、ヴァータ増悪、重性、冷性の性質がある。第1巻第27章134-137
完熟バナナ(バショウ科/モーチャ)
甘味、軽度渋味、油性、冷性、重性である. 第1巻第27章142-145
ザクロ(ダーディマ)
ザクロのうち、酸味・甘味・渋味のザクロはヴァータ鎮静、下痢止め、消化力増進、油性、温性、風味良好(健胃・強心)という性質があり、カパとピッタを増悪させない。乾性で酸味のザクロはピッタとヴァータを増悪させる。一方甘味のザクロはピッタを鎮静する。3種のザクロのうち、最初にあげた甘味・酸味・渋味のザクロが最上である。第1巻第27章146-150
ダイダイ(みかん科 ナーガランガ)
果実は甘味、軽度の酸味、健胃・強心、料理の風味づけ、消化困難、ヴァータ鎮静、重性といった性質がある。第1巻第27章151-156