アーユルヴェーダで病気をなおす

アーユルヴェーダは独自の医学体系を持ち、人には生まれながらの体質があり、その本来のバランスがとれて いるときは健康であるとしています。

体質は3つのエネルギーの組み合わせから成り立っており、その3つはヴァータ(風・運動エネルギー)、 ピッタ(火・消化・代謝エネルギー)、カファ(水・同化エネルギー)と呼ばれ、それぞれどれくらいの割合で生まれもっているかがその人の身体的、心理的特 長をあらわしているとしています。

そして、人間は本質的には、自然治癒力を持ち合わせているため、本能的に自分にあった食生活を調整しなが らバランスをたもっているが、自分にあっていない食生活を選択したり、年齢、季節、環境などの影響により生まれながらの体質のバランスを崩すと心や体に不 調となってあらわれると考えています。この場合、原因となる食生活の誤りをとりのぞき、不調に対しては生薬に代表される内服薬やオイルマッサージなどの外 用によって治療します。

病気の治療の場合は、アーユルヴェーダ医師の診断のもとに、浄化療法を行います。浄化療法は通常施設に滞 在し、食事や生活方法も含めて治療するため、7日~1ヶ月ほどは最低でもかかります。日本では、滞在して治療する本格的な施設はほとんどありません。

病気の治療を考えている方はまず日本のクリニックで診察をうけてから海外に行くことをおすすめします。

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浄化療法(パンチャカルマ)

浄化療法ではまず、数日間のカロリーや脂肪を制限した食事療法を行い、体内に蓄積された脂肪の消費を促進 することで、脂溶性の不純物が脂肪組織の中に濃縮します。ここで、大量のギー(精製されたバター)を20-100ml程度内服します。これにより血液中で 脂肪運搬を担うカイロミクロンを誘導し、脂溶性毒素は脂肪組織と血液との間の大きな濃度勾配にしたがって、血液中に移動させます。

また、ギーは消化管の中にも多量に滞留し、濃度勾配にしたがって毒素を消化管の中へ移動させます。この毒 素を含んだカイロミクロン中の中性脂肪は肝臓で科学的な処理を受け、水溶性の毒素として排泄されます。浄化療法の最終段階では、全身のオイルマッサージと 続けて行う発汗法により、毒素の汗腺と腸管内への排泄を促し、下剤法(ヴィレチャナ)、浣腸法(バスティ)などで腸管を洗い流します。このとき、腸管表面 の毛細血管が半透膜の役割を果たし、毒素が透析されて排泄されると考えられています。

浄化療法の1過程としてはもちろんのこと、アーユルヴェーダの治療では頻回にオイルマッサージが処方されます。オイルマッサージは、オイルで薬草の親油成 分を抽出して体内で最大の臓器である皮膚に投与することで、薬理学的効果だけでなく、生理学的効果、さらには心理学的効果を担う治療法です。インド  S.V.アーユルヴェーダカレッジのDr.A.R.V.Murthyは浄化療法およびハーブオイルによるマッサージの効果を以下のようにまとめています。

浄化療法(パンチャカルマ)の効果
有害物質の排出    ↑D-キシ ロースの排泄をよくする
大小の経路を開く   ↑尿中窒素増加
吸収力を高める    ↑尿中カテコラミンの上昇
イオン交換を容易にする↑血中プロテイン増加
受容体の働きをよくする↓血清ヒスタミン減少
薬の働きをよくする  ↓血沈減少
ハーブオイルによるマッサージの効 果
↓興奮性の減退    ↑リンパ液 循環促進
↓無気力の減退    ↑セロトニン・メラトニン増加
↓過敏性の現代    ↑リンパ球・マクロファージ増加
↑落ち着きを増加   ↓ヒスタミン減少
↑睡眠の改善     ↓ドーパミン減少

引用・参考文献)
上馬場和夫:伝承医学の可能性,日本補完代替医療学会誌,1(1)63-76,2004
上馬場和夫: アーユルヴェーダとヨーガ, 補完・代替医療 アーユルヴェーダとヨーガ, 株式会社 金芳堂,1(1)
Dr. A.R.V.Murthy:アーユルヴェ一ダ研究(31)183