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2016 Dr partap 消化器系についてのセミナーより

舌には2つの役割がある

舌には”食べる””話す”2つの役割があります。

”舌は災いのもと”といいますが、実は体の不調においても、人間関係のトラブルにおいても、それを引きおこしているのは 舌 なのです。

綺麗な人は舌を喜ばせるかわりに、体の全細胞が喜ぶ食事を選ぶ

肉体レベルにおいては、食べたものが消化・吸収されて体の組織を滋養します。思考をつかさどっている脳の細胞も食べたものからつくられています。

そいういう意味では、どんなものを食べたかが、思考を作っているといえます。

ライオンならシマウマなどの草食動物を食べ、ウサギは草食であるように、自然界の動物には自分が食べるべきものが決まっていて、間違うことがありません。そのルールにのっとっているからこそ、自分の野性を発揮し、寿命を全うしているわけです。

森の中には人間にみられるような生活習慣病はありません。

人間にも本来人間が食べて消化できるものが決まっているのですが、その内容や適量をしばしば間違えることから、肉体レベルの不調はおきています。

そしてその間違いを誘発しているのが 舌 なのです。

食べ物が舌を通過するのは ほんの一瞬です。

その口から取り入れた食べ物は約9mもの消化管を通りながら何時間もかけて消化・吸収し、それには実に多くの臓器が一所懸命働いています。

にもかかわらず、人間は舌の喜ぶものだけを選んで食べ、他の実際に消化を担当している臓器がその食べ物をどう思うかについて考えることがありません。

肉体レベルで健康な人は、食事は舌を喜ばせるものではなく、体の全細胞のために、そして消化された後のクリアーな思考のために良いものを選んで食べています。

この世に”美味しい”味は存在しない

私たちは食べ物をまず舌で味わってから飲み込みます。この味わうという喜びを一身に担っているのが舌です。
生きていることの楽しみの一つが”食べること”という方も中にはいらっしゃると思いますが、意外にもこの世の中に存在する味はたったの6つ(甘味、塩味、酸味、辛味、苦味、渋味)しかありません。

”美味しい”という味は存在しません

何かを食べて”美味しい”と感じているのは、心であって、それは舌で味わったそのままの味をさしているのではなく、テレビの食番組、レストランのディスプレイ、雑誌もろもろで常に目にしている情報が潜在意識に記憶され、同じような食事を前にして、口に運んだ時、脳で美味しいと感じているわけです。

綺麗ない人は静かである

舌の食べる以外のもう1つの役割である話すということにおいても、舌が話したいままにさせておくとトラブルのもとです。

言わなくていいこと、心ない一言から人間関係のトラブルは生じます。

言葉に出す前に良く考え、思いやりをもって愛のある言葉を話す人は舌をコントロールできている人です。

心も体も綺麗な人は人生の本当の目的を知っている

そもそも人間は、”食べるために生きている”わけではありません。

アーユルヴェーダでは生きることの目的は、この世でのダルマ(仕事)を通して他人を助け、寿命を全うすることです。そのために、健全な心と体を動かし続ける燃料として食事をとるのです。

にもかかわらずいつの間にか舌の奴隷になって、舌を喜ばせること、食べることが生きる目的のようになりがちです。

賢く食べること・賢く話すこと・人間本来の知性を働かせて、舌の奴隷になることなく、舌を上手にコントロールしていきましょう。