汗のかきかたとドーシャの乱れ
アーユルヴェーダで体質をみるとき、汗をかきやすい人は火の性質=ピッタ体質に分類されるのですが中には ん?? この人はピッタっぽくないけど汗をかきやすいといっているなぁというケースに遭遇します。
そんな時、汗のかきかたについてよくよく聞いてみると全身から汗をかいているのではなく、部分的に汗をかきやすいことに気が付きます。
例えば、更年期のホットフラッシュのように、下半身は冷えているのに上半身はあつくなり、特に顔から上に汗をかいてのぼせるという方
または体の体幹やお腹はどちらかというと冷えているのだけど、手のひらや足がほてるという方
これらの場合はいずれも体の気の流れ=ヴァータが乱れていると考えられます。
中医学的なほてりの解釈
中国医学の健康術 という本の中になるほどと思う説明があったので、アーユルヴェーダと関連して考えてみたいと思います。
中医学では衛気と呼ばれる体の表面をめぐって外邪を防いでいる気のエネルギーの巡りが悪いと冷えを感じ、流れに滞りがあるとほてりを感じるそうです。
そしてこの衛気の産生や送り出しに関係しているのが胃・肺・腎で、手足はそこから最も遠いために冷えやほてりがでやすくなります。
衛気は主に日中は外に出て外邪から体を守り、夜間は体の内側をめぐって体の組織をつくるのに関係しています。
アーユルヴェーダでも1日の中でドーシャが優勢な時間がありますが、昼と夜では同じドーシャのエネルギーでも担当している役割が異なります。
例えば昼の10-14時はピッタが優勢な時間ですがこの時間のピッタは食べ物の消化に関係しており、夜の22時~深夜2時までのピッタの時間は体の組織をつくることに関与しています。
そして実は昼は活動的に夜は内向きに修復というエネルギーの向きをコントロールしているのが気のエネルギーであるヴァータだといえます。
このため夜間は外邪からは無防備な状態になりやすく寝ている間に風邪をひいたりするのはそのせいです。
さらに衛気が体内から体表に出てくる部位はみぞおちとその裏側にあたる背部(胸椎10-12番あたり)に相当するため、衛気の乱れがある人はみぞおちや背中の真ん中あたりに症状があらわれます。
みぞおちや背中の真ん中あたりに圧痛を感じたり固くなっている場合はそこで気の流れがブロックされてしまうので、下半身は冷えて上半身がのぼせますし、この部分に力がなくめぐりが乱れ手足が火照るといった変化があります。